house



カメラに古いレンズをつけて近所を撮影しに出かけたときの話です。

その日は特に撮りたいものを決めずに古い民家や家々の前に飾られている花々などをさりげなく撮影していました。
だいたい百枚程度を撮ったところで満足し、帰宅しようと思いましたが、道の途中で小さな花が歩道の脇にあるのを見つけました。

あまりにも小さかったので誰の目にも気付かれません。
しかし、そのとき私はなぜかその小さな花にレンズを向けたのです。

ファインダーからその花を見ると、その花の美しさが迫ってくるようでした。
そこには花だけが持つ世界が垣間見てとれたのです。

人間の住む世界とは明らかに違う、その花を通してみる世界といった方がいいでしょうか。
とにかく私はその花を夢中で撮影しました。

今でも私はその花の写真を大切に持っています。

カメラのレンズは実に不思議なもので、こちらが予想していなかったさまざまな表現効果を生み出してくれます。
そしてその効果は新しいものや古いものといった区別はなく、ときには古いものの方が新しいものよりもいい味を出してくれるときがあるのです。

キレイなだけが写真じゃない


私はこれからカメラの腕を上達させたいと考えて人には、ぜひ古いレンズをつけて撮影することをおすすめしたいです。
最新式のレンズは確かにきれいに写し出すことができて文句がないほどですが、そこにはレンズの個性が少々かけているように思います。

mono


キレイなだけが写真ではありません。心に訴えかける、何かを残すことができるものが写真だと私は思います。

古いレンズの中にはうまく扱わなければ良い写真が撮れないものもあります。
ものすごく不便ですが、そうした不便さを補うテクニックが自然と身につくのがいいところでもあります。

私はこれからも古いレンズをいろいろと試してみようと思います。
あの小さな花を撮影したときのように、古いレンズでしかとらえられないものがまだまだ他にもあるような気がするのです。

もしも新しいカメラを買ったら、そのカメラに古いレンズをつけて、また近所の花々を写してみようと思います。